革のこと

革の経年変化3カ月後(今週のデラックス君)

デラックス君[E:crown]は使い始めてからちょうど3ヶ月位が経ちました。
4月に入り仙台も晴天が続くようになったので今日も日光浴日和でした。

日光浴の様子[E:down]
Rimg0447

だいぶ変色も進み艶も増してきたのがわかるでしょうか[E:scissors]
この艶は毎日少しずつ[E:paper]で撫でていた成果でもあります。

以前に、話を出した時に「撫でるとどうかなるのですか?」という問い合わせが
殺到してしまったのですが、これを[E:upwardleft]見てもらうと納得してもらえるはずです。

[E:paper]のひらは、若干の油分(当然天然成分ですね)で覆われているので
撫でることにより革への油分補給もしていたのです。
「早く飴色にしたい[E:sign03]」という方には当然不向きですが
長く大事に使っていきたいという方は、このやり方の方が
愛情[E:sign02]も増しますし、私はずうっ~とこの使い方もしています。

ここで、面白いものをお見せいたしましょう[E:catface]

Rimg0448

 [E:upwardleft]
左側のレザーウォレットはデラックス君とほぼ同時に完成したサンプル品で
ここまで1度も使用せず、週1回のオイル添付とタンニングをしたものです。
この画像では解りづらいのでこちら[E:down]をみてみると

Rimg0453

奥のデラックス君と比べると変色はほぼ同じくらいですが
革の艶[E:shine]が全然違うのがわかるでしょうか[E:coldsweats01]
恐るべしデラックス君です。[E:good]

サンプル品もここから使用していけば徐々に艶[E:shine]も出てきますが
過度のオイル補給は取り返しのつかなくなるときもあるのです。

例えばこの様に[E:down]
Sbsh00421

雨濡れしてしまった場合は、絞ったスポンジなどで全体を水拭き
することにより、均等に自然乾燥していきシミも残りにくくなるのですが
オイルを大量に添付し続けると、[E:downwardleft]のように均等に浸透していかなくなる
恐れがあります。

Sbsh00431

 [E:upwardleft]
  本当はここまで濡らす必要はまったく無いのですが
  今回は実験なのでびしょびしょ[E:sweat02]になるまでしてます。[E:coldsweats02]

乾かしたあとも手を尽くしてみましたがこの通りです。[E:down][E:crying]
Rimg0456

こなってしますと水シミであっても取れなくなってしますので
あとは、使い込んで変色でごまかすしか・・・

最後に
水シミの対処法は、とにかく時間が勝負です。
出先などで濡れてしまった場合は、乾かないうちに全体を水シミと
同じくらいまで水拭きしてから、日蔭の風通しの良いところで
必ず自然乾燥をしましょう。
そして、完全に乾かしてから少量のメンテナンスオイルをまんべんなく
全体に塗り、オイルが浸透してからブラッシングやカラ抜きして
艶[E:shine]を回復させてください。

by Kurimura

ハンドメイド革製品専門店MainLand【メンランド】

  

皮?革?毛皮?

最近、疑問に思うことがあります。
工房への通勤はほぼ毎日同じルート[E:car][E:dash]で来るのですが、その途中に

「毛皮クリーニング」というポスターが貼られていて、見かけた時から

「なんで毛皮なんだろう?」[E:coldsweats02]って思っています。
まあ、どうでも良い話なんですが、「皮」「革」は同じ読みでも

「米」?「ごはん」?の様なものでちょっとだけ意味が違います。

簡単に言うと原料を「皮」、製品を「革」と区別されています。[E:good]
※言い回しは思い当たりなので、正確な表記でないかもしれませ。
間違っていたらごめんなさい
( ̄Д ̄;;

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[E:upwardright]
これはです。(写真提供:by Kurimura)

Dscn4766
[E:up]
そしてこれがです。(写真提供:by Kurimura)

Dscn4775

[E:upwardright]そしてこれが「革製品皮製品」です。

(写真提供:by MainLand)

私は革屋なので一応は「革製品」とは言っていますが、一般的には「皮製品」でも

十分通用しますし、英語で「皮製品」「革製品」のどちらを翻訳しても

「Leather products」にしかならないので私も普段はあまり言い方や書き方に

拘っていないのですが、それでも「毛皮」だけはなぜか?気になってしまいます。
※補足・・「皮」だけだと英語では「Skin」「革」「Leather」です。

玄人的には「毛皮」じゃなく「毛革」じゃないの?と思うのですが、もしかすると

「毛皮」は革よりも「毛」のほうがメインだからそう呼ぶのかもしれない?などと

、たわいもないことを毎朝考えてしまうのです。
※普段は工房にくると忘れてしまうのですが今日はたまたま思い出したので

書いてみました。

あともう1つ要らない雑学ですが、「毛皮」も生革の状態だと腐ってしまうので

製品にするために「なめし※英語ではタンニング」という防腐加工を施すのですが、

毛皮は「タンニング」とは言わずなぜか「ドレッシング」と言う様です。

なんで?・・・

※ホントに要らぬ雑学です・・・[E:coldsweats01]

Dscn4750

[E:up]
これはMainLandが採用している
「なめし」の様子(実写)です。

(写真提供:これもby Kurimura)

うちでレザーウォレットレザーベルトに使っている革は

「フルベジタブルタンニンレザー」と表記してますが、要は

「100%植物だけのタンニン(渋)でなめされた革」ということなのです。[E:scissors]

ハンドメイド革製品MainLand【メンランド】

良質の革を求めて

11月10日。仙台は雨です。
久々の更新ですですが(前回はちょうど1ヶ月前・・)今回は革のお話しです。
先日と言うか先月?に時間を作って関東のとある場所にある革工場に日帰りの弾丸出張(車で往復7時間)をしてきました。

良質の革を手に入れるためには手間隙を惜しまず自分の目で実際に確かめたものでないと自信を持ってお客様にはお勧めできないのでこんなことをしております。

こんなことを言っても私はまだまだ甘ちゃんの部類と思ってますし私の知らない上質で理想の革を作っているところが国内にも世界中にもまだまだあるので早く巡り合って皆さんにもお届けしたいと思ってます。

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ハンドメイド革製品【メンランド】

革の経年変化

8月28日。仙台は曇りです。
先日になりますが約1年前に送り出した娘(ここでは作品を意味しますが、男性のお客様へは娘として、女性のお客様へは息子と勝手に呼んでおります。笑)がカスタム&リフレッシュの為里帰りしてきました。送り出した時にはもち肌だったのがすっかり小麦色の元気娘になっていて、普段から愛情を注がれているのが手に取る様にわかります。
今回の里帰りは装飾の追加だったのですが、リフレッシュメンテナンスも一緒にすることにしました。リフレッシュメンテは革のフチ(コバ)を磨きなおしたりオイルアップしたりその時々の革の状態で判断してやっています。
いつも思うことなのですが同じ革を使って作るので送り出す時には同じような色・形でも、使い方や経年変化でこんなにも個性あふれるものになるものは作り手の私も素直にカッコいいなって思いますしやっぱり魅力的です。

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ハンドメイド革製品【メンランド】レザーウォレット(革財布)一覧

エイ革(スティングレー)の魅力

今日はエイ革マンタ)について小話しようと思います。
メンランドでもエイ革スティングレー)を使った革財布レザーウォレット)やショルダーバックを作ってますが、エイ革マンタ)の特徴として革表面がビーズを散りばめたかのような見た目と独特の質感にあります。
ご存知のようにエイ革マンタ)はあの魚のエイ(日本で見かけるエイとは種類が違うみたいです。)をなめして革にしたもので、表面のビーズのように見える粒(リン酸カルシウム※私達の骨や歯を作る主成分と同じです。)は見た目の美しさとは違いとても硬い素材なのです。※この辺の表現が難しいのですが粒自体は硬いけど全体としては柔らかいのです。
日本でも古くから(1200年以上前)刀などの柄の装飾などにも使われているそうですし外国では18世紀頃からあったそうです。
茶器や茶碗が好きな方は梅香皮・梅華皮(かいらぎ)って聞いたことがあると思いますけど、鮫革のことだったみたいです。
※梅香皮・梅華皮(かいらぎ)とは・・茶器や茶碗の表面が釉薬(うわくすり)の縮れで荒れたものをさす名称。

私の記憶違いだったらすいませんが、料理屋さんでよく本わさびをおろすやつも鮫革を使っているっていいますがあれも使ってたような気がしますので機会があれば見てみてください。(間違ってたらゴメンナサイ。)
エイ革自体は非常に丈夫ですし、通常の使用の範囲では特に手入れも必要ないので(空拭き位で十分)取り扱いも比較的楽で長くご愛用するに適しているのも魅力の一つで私も好きな革です。

ただ、丈夫な革だけに作り手は泣かされますが・・・(苦笑)

Kafuna1

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