修理・メンテナンス

メディスンバッグの解体3

前回からの続きでこのバッグの修理も終わりに近づいてきました。

今回は本体前面とふた部分の再縫製とリフレッシュメンテナンスです。

Hip_bag1_1

縫製する前に革裏(床面)を溶剤を使って毛羽立ちを抑えてます。

そして1針1針縫製。

Hip_bag1_2

と言っている間に終わりました。

これでやっと全ての再縫製が完了です。

次に10年間雨風にさらされてかなりダメージがある革に

油分補給をし呼吸をさせてやる為にリフレッシュメンテです。

まずは全体の汚れを落としたあとに1~2日革を休ませて油分補給ですが

今回はかなり油分が抜けているのでオイルとWAXを併用します。

まずはオイルを全体に塗って行きますが、これでは全然足りないので

1時間ほど置いてから2度塗りしました。

Hip_bag1_3

Hip_bag1_4

(2度塗りが終わったところ。)

オイル系の油脂は浸透しやすく革の内部の油分を補えます。

新しいうちはこれだけでも良いのですが、年数が経つにつれ

革も老化?して油分も飛びやすくなってしまうので

今回の場合は、革表面に油分がとどまって保油してくれるWAXも

併用する訳です。※年齢肌の化粧品みたいですが・・・

Hip_bag1_5

オイルを塗って1昼夜ほど置いてからWAXを塗り終えたところです。

今回は状態が状態なのでミンクオイル成分もブレンドされている

ピッチブレンドをチョイスしています。

ミンクオイル系は革を柔らかくする性質も持ち合わせているので

俵かくなりすぎないように薄く塗り拡げて行くのがコツです。

これでかなり良い感じになってきました。

あとは仕上げの磨き上げをしてツヤを取り戻すだけです。

つづく・・・

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メディスンバック解体2

前回のつづき・・

お客様の修理ではないのでなかなか進みませんが、結局前面も分解することとなった。

再縫合するので接着面をきれいにしておきます。

ついでに中もきれいに再仕上げして縫製に取り掛かります。

Image2

今回使用するのはシニュー糸ですが、このバッグの風合いに合うように

色は本物のシニューの色に近いハニーゴールドを使います。

(※左がハニーゴールド)

Image3 

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そして、縫っています・・・

Image5

縫い終わりはこんな感じです。

この糸は使い始めるととすぐに白っぽくなりますので、パット見た目の印象は

前と変わらないので違和感が出ないと思います。

Image6

再縫合した部分のコバ(フチ)は軽く慣らして仕上げます。

コバをきれいに処理する秘訣は・・・

とにかくひたすら磨きあげることです・笑

今日はここまで。

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メディスンバック解体1

珍しく2日続けての更新です。
いつまで続くか・・・

昼休みにちょっと時間が出来たので早速糸のばらしを始めました。

Image1

その前に取り付けてある全てのパーツを分解して作業し易くします。
この10年で両脇の革レースは2回交換し、フタを留める革ひもは3回・・・
コンチョは気分転換でそれ以上替えて使っていました。

そしていよいよ・・・

Image2

写真は私です・・・(多分初登場?)
こんな手で作っているんです。

始めたのはいいのですが、糸が思っている以上に劣化が激しく外装部分は
魚の小骨を抜くような感じで格闘すること数十分・・・

ようやく前部のステッチを取り除くことが出来ました。

Image3

となりで作業しながら見ていたミスターは、苦笑いです。

はたして無事にレストアが終わるのか・・・・

おわり。

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メディスンバックの修理

10年近く使っている自前のメディスンバックですがさすがに痛みが激しく修理することにしました。

10915_1

※このバックはJUNバックの原形で2個作ったうちの1個です。

縫製に使っている糸は今と違って麻糸なので所々糸切れしていると云うよりはほぼ崩壊寸前です。汗。

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「これくらいだったら部分補修でもよいのですが・・・」

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「ここから良く愛用のZIPPOが顔を?覗かせています・・・」

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「・・・・」

麻糸は天然素材で蜜ロウやビーズワックスで糸をロウ引きして使用するのですが(※こうやって聞くとかっこ良い気もしますが・・・)ロウが切れてしまうと糸の強度も落ちて風化?してしまいます。

やれた感じとか風合いは私も嫌いではありませんので、趣味でやっていた頃は麻糸も使っていましたが10年でこんな風になってしまうとせっかくの革製品も台無しです。麻糸を使っている革製品はこうなる前に縫製部分の定期的なメンテは必要(費用も掛かるので)になるので購入する前にSHOPさんに聞くと良いでしょう。

※もし聞いて「これが味です!」なんて言うところは・・・多分無いとは思いますが、ちゃんとした職人さんが作ったものは当然メンテナンスもしてくれるはずなので購入時の参考にしてください。

このJUNバックもこれまで糸切れしたところは部分的にシニュー糸でリペア(補修)はしていたのですが、今回は10年経っているということもありますので麻糸(リペアしたところも全て)をいったん全部取って、リフレッシュメンテを施しシニュー糸で再縫製する予定にします。

おわり。

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リフレッシュメンテ(レザーウォレット,編)

久しぶりの更新です。

仙台も9月に入って一気に気温が下がり夏バテもようやく峠を越えた感じです。汗

今回は4年ほど前に製作させて頂いたレザーウォレット・インディペンデンスのお客様がオリジナルのメディスンホイールコンチョにコンチョしたいということでオーダーを頂きました。

コンチョが出来上がってくるまで約1カ月掛かるのですが、早速工房にウォレットが到着しました。

今回はコンチョ交換と併せてリフレッシュメンテナンスも依頼して頂いたのでコンチョが出来上がってくるまでの間にリフレッシュメンテを施します。

まずは状態の確認・・・

年数の割にきれいに使われている様ですが、ちょっとだけ油脂補給をしすぎている様なので油分をすこし飛ばして、本体のメンテ、コバなどの再磨き・仕上げです。

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画像はメンテが終わりコンチョが出来上がってくるまでウォレット休ませておきます。

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風通しを良くするためにこうやって新聞紙を入れておけば湿気なども吸ってくれますので参考にしてください。

それから時が過ぎ・・・

コンチョが出来上がってきましたので早速装着です。

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今回は同じ径同士のコンチョなので違和感なく装着できました。

10914_5

コバも再磨きされてきれいになりました。※この後もう1回仕上げ磨きをします。

全部終われば最終検査をしてお客様の元にお返しします。

おわり。

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