修理・メンテナンス

アメ色に育てる革の手入れ

12月1日。仙台は薄曇りで寒いです。
今日はメンランドのサイトから色々とお問い合わせ頂く内容の中でメンテナンス方法を教えてくださいという問い合わせが多いので紹介したいと思います。
ただ、ここで紹介する内容はメンランドで採用している革のメンテナンス法なので他製品のものは購入先でちゃんと聞いてくださいね。

以下は問合せ内容と返信文です。


教えてください。
革は、使いこんでいくうちに、革自体の厚みなど、若干変化(薄く)していくものでしょうか?
現在使用している他社製のものは、ミンクオイルなどをマメに塗りすぎて光るどころか、ツヤが無くなってしまいました。
革財布を、きれいなアメ色に育てていく為には、メンテはどのようにしていけばいいのでしょうか?
ご教授いただければ幸いです。

※経年変化で革の厚みが変わるのは、革自体は繊維構造なのでその繊維質が潰れていくので薄くなった感じがします。

お手入れ方法については、油脂補給はあまりやり過ぎると上記のとおりに革が柔らかくなり過ぎたりツヤが失われてしまいます。
革もよく生き物と言いますが、観葉植物などにあまり水をやり過ぎると腐ってしまうのと同様でなんでもやり過ぎは禁物です。
ツヤは一度失われてしまうと再生するのはかなり難しいので気をつけください。
当方の使用している革についての日頃の手入れは空拭きが基本です。
あとは普段から手で撫でる程度で(手の平から出る油脂)油分補給が出来ますしオイルやワックスを使うのは3か月~半年程度に1度で十分です。
補給の際は極力薄く塗り延ばして2~3日様子を見て足りなければまた薄く塗るを2~3度する程度で十分です。
現在お使いの財布も多分油分が過補給状態だと思いますので半年程度オイル補給を止めて空拭きだけのメンテをすれば若干ツヤは戻るかもしれませんので試してみてください。

最後はオチになってしまいますが、きれいなアメ色に育てるのは「手から伝わる愛情(油脂)」が一番?かもしれません。

ハンドメイド革製品【メンランド】


2年目以降のメンテナンス

5月18日。仙台は夏日です。
前回に引き続き今回もメンテナンスのお話です。
1年も使っているとそろそろ革の表面にツヤも出てきて味わいあるものになってきていると思いますが私がやっている2年目以降のメンテナンスを伝授いたします。前回のブルグでお話ししましたが私は大体半年に1度の割合できちっとしたメンテをするのですが2年目以降(私の場合は2回目以降)はオイルとWAX系のものを交互に併用しています。
※交互にとは2回目はWAX系、3回目はオイルという風にです。
なぜそうするかと言うのは話しが長くなりますので簡単にお話ししますがオイル系は浸透力があるので革の内部への油脂補給で、WAX系は革表面の汚れや傷を守る油脂補給と言う所です。
前回も触れましたが新品から使い始めは元々革に含まれている油分が皮膜を作ってくれるのですがその皮膜を補う意味で私は使ってます。
ただWAX系といっても今はありとあらゆるものが出回っているので迷われますよね。
財布にはこれ、革ジャンにはこれ、ブーツはこれとやるのも良いのですがそれではケミカル品の山になってしまい大変ですし、革の知識がそれほど無くても使い方も簡単でどなたでも簡単に手に入れられるものは無いかなって探しているうちにあるものが思い浮かびました。そのあるものを使ってうちの製品にも使えるかどうか1年ほど前から実験を試みていたのですがうちのものにも使えたのでご紹介することにしました。
そのWAXとは・・・
ネットオークションなんかでも手に入るラ○パーというものです。笑。
私も最初はバカにしていたのですがこれが使ってみると中々のものです。
試したのは財布に、バックに、小物、革ジャン3着(牛革)、革ジャケット(羊革※吟面のもの)、ブーツ3足・・・
ナチュラル・ブラック・ブラウンの色も問わず使えました。
このラ○パーとオイルを兼用して2年目以降のメンテをしていけば末永く相棒と共に過ごしていけますのでもし、迷われたら試してみてください。
WAX系も基本的にはオイルを使うメンテの時と一緒ですので。
※私も通販好きですがもしかして今までで買った中で一番使えるものかもしれん。笑。

革財布(レザーウォレット)のメンテナンス

5月16日。仙台は1日中快晴です。
今日は革財布のメンテのお話しです。
私はここしばらく(半年位)黒の革財布(ネイティブEASTのブラック)を使っていたのですが
実は使い始めからろくなメンテらしいメンテはしてませんでした。
(陰干しや空拭きはしてましたが・・・)
※これから書くことは私がいつもするメンテの方法なので他社のものも参考にはなると思いますがあくまで自己責任で行ってくださいね。
ということで、まずは財布の中身を全て取り出します。
使い始めから半年がたっているので形などは程よく自分の使いやすい形になってるのがわかりますね。
おっと、ここで、もしついさっきまでポケットに入れて使っていたのなら革が汗なんかを吸い込んでいますので1度陰干しとかして自然乾燥させます。
※私の場合影干しといっても開いた状態でテーブルにただ置いておくだけです。
次に用意するのは料理に使うステンレスのボール(小さなバケツなど水を溜められるもの)とスポンジです。
※スポンジは洗車するときのスポンジが良いです。(最近は車に傷の付かない目の細かなスポンジが売ってます。)
ボールに人肌よりぬるい水を入れてそれにスポンジを浸します。
浸したらそれをギュッと絞ってから財布全体をそれで拭いていきます。
えっ!革を水で拭くの?と、思っている方もいらっしゃるでしょうが半年も使っていると目には見えませんが手垢などの汚れが付いてますのでそれを綺麗にしていくのです。
ただここで気をつけることですが黒や茶系はあまり強く擦ると擦った所が色まで落ちちゃいますので程ほどにです。
うちで使っているサドルレザーは元々革自体に油分を多量に含んでますので使っているうちにその油分が革表面に油膜を作って表面を保護してますのであまり擦りすぎたり、クリーナーや洗剤を使うと折角出来てしまった油膜まで落としかねませんので余程の汚れでなければある程度はこの方法で綺麗になります。
そして全体(内部の吟面部分も)を綺麗にしたらここで1度また半日ほど自然乾燥させます。
乾燥後今度はいよいよ油分補給です。
オイルはウエスなどに取り、アイロンを掛けるような感じで全体に塗っていくのですがオイルの量は多すぎると革を思いのほか柔らかくしてしまうので1膜塗るような感覚で気持ち少なめにすると失敗はあまりないみたいです。
全体(内部の吟面部分と)とフチ(コバ)に塗り終わればまたしばらく置いてから拭きしてやればOK!です。
と、ナチュラル色はこれで良いのですが、色革(ブラック、ブラウン)の場合、フチ(コバ)が擦れたりして色落ちが気になる方はフチ(コバ)を磨く際に1つ試してみてください。
市販のミンクオイルをティースプーン1/3量くらいに革靴に使う黒のクリーム(ブラウンのものは財布に近い色のクリーム)を同量手のひらにとって混ぜたものを指にとってフチ(コバ)にすりこんでいくと綺麗になります。手が汚れるのが嫌な方はウエスなどに取って磨いてもOK!です。
私はこのメンテを半年に1回位(本当は4ヶ月に1度位が良いのですが・・)のペースでやってます。
あと、余談ですがあまり使わずにしまっておいて表面がカビた場合も中までカビが浸透してなければ上記の水拭きで大概は落ちるので試す価値はありますよ。

※5/17追記
油分補給はあまりやり過ぎると革のコシや艶(ツヤ)を損ねる場合がありますので、特に使い始め(メンランド製の場合)は過酷な使用状況を除きある程度艶が出てくるまでは油分補給を控えてみてくださいね。